今、空き家の問題が全国各地で浮き彫りになっており、国土交通省は管理されていない空き家に対して「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施工して、規制を厳しくしました。そもそも空き家の定義はどのように判断されているのでしょうか。また放置するリスクや整理する費用も一緒に説明していきます。
そもそも空き家の定義とは?
空き家の定義は国土交通省が施工した「空家等対策の推進に関する特別措置法」によれば1年以上住んでいないか使われていない家を「空き家」として定義をしています。その判断基準としては人が出入りしているか、電気やガス、水道は使われているか、物件が適切に管理されているか、所有者が利用している実績があるかなどが挙げられています。
また空き家をそのまま放置すれば倒壊の危険性があったり、景観を損なっているものを放置することが不適切な状態であるものは「特定空き家」に該当します。特定空き家に対する勧告がありますと強制撤去とまではいかなくても固定資産税の特例から外れてしまい増額されてしまう可能性があります。
空き家を放置するリスクとは?
空き家を放置しますと様々なリスクを負う事となります。ひどい場合は、倒壊の危険性や景観の悪化、放火やポイ捨てによる出火が考えられます。また倒壊の危険性がなかったとしても粗大ごみの不法投棄やゴミや動物の死骸などの悪臭などで近隣住民の迷惑と不安を与えてしまいます。
また、空き家は整理しないことで「維持費」がかかり今でも費用を支払っている方も多いのではないでしょうか。空き家を管理せずに維持する為だけに固定資産税や都市計画税、さらには保険料金、業者に管理を任せているのであれば管理費がかかり、おおよそ年間20万以上かかることになります。毎月の負担額でいえば2万もかかりませんが長期的に見れば非常に大きな維持費用がかかることがわかります。
さらに怖いのは空き家の管理ができておらず「強制解体」される場合です。「国が勝手にやるんだから費用はかからないんだろ?」と思われる方もいるかもしれませんが、強制解体の費用は所有者に請求されることになっており100万を超えることも珍しくありません。
国が強制解体を決めれば例え所有者が「安全だから」や「管理しているから大丈夫」と主張しても通りません。空き家を放置するだけで毎月の維持費だけでなく、数百万円を支払わなければならないリスクを負う事になります。
空き家を整理する費用をそれぞれ紹介
空き家を放置してしまいますと周辺住民からの苦情、最悪の場合は管理不足による倒壊やポイ捨てによる出火が考えられることがわかったと思います。また、特定空き家に該当すると固定資産税もあがってしまい所有者の負担も増える事がわかったと思います。次は空き家を整理する費用について紹介していきます。整理するにも業者を頼んだ方がいいのか、それとも自分で出来るのか? また整理をするのにはどれぐらいの費用がかかるのか確認してください。
業者を使わずに自分や友人に手伝ってもらう場合の費用は?
空き家を自力で整理しようと思い立って友人にもお願いし最小限の費用に抑えた場合の費用はどれぐらいになるのでしょうか。自力で空き家を整理する場合は「粗大ごみ処分費用」と「家電4品目の処分費用」が挙げられます。粗大ごみの回収相場は空き家のある自治体によって異なりますので事前に調べておくといいでしょう。ここでは大阪市の粗大ごみの回収料金を例にします。
大型家具の回収料金
(ソファ、タンス、ベッド、テーブルなど) 700円~1000円
小型家具や家電の回収料金
(ポット、電子レンジ、椅子、傘立てなど) 200円~400円
家具や小型家電は自治体の粗大ごみ回収サービスを利用すれば処分する事はできますが、家電4品目(テレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機)の処分方法は家電リサイクル法という法律で決められています。家電4品目の処分するには「家電量販店に引き取ってもらう」または「指定引取場所へ持ち込む」ことになり、それぞれ費用が変わってきます。
家電量販店に引き取ってもらう場合はリサイクル料+収集運搬費用がかかります。リサイクル料金に関しては製造したメーカーが決めますので多少差はありますが、おおよそ1個1,500円~4,000円の範囲に収まります。収集運搬費用は2,500円~3,000円が相場となっています。つまり2,000円のリサイクル料金に運搬費用が3,000円のテレビが2台を引き取ってもらう場合は「(2,000円+3,000円)×2=10,000円」の費用がかかる計算となります。
しかし注意しなければならないのは収集運搬費用は引き取り業者によって大きく変わります。また、空き家周辺の道路状況によってはトラックが入らなかったり条件によっては費用が高くなる可能性もありますので事前に家電量販店に確認しておきましょう。
家電4品目を処分する方法に家電リサイクルセンターが定めている指定引取場所に持っていくのも一つです。こちらの費用に関しましては運搬する為のガソリン代とリサイクル料金のみで済みます。
業者に依頼した時の費用は?
空き家を片付けてくれる業者に頼む場合の費用は地域や家の広さ、荷物の量で料金が変わりますが、おおよその相場は下記となります。
間取り 相場料金
1R 30,000円~80,000円
1DK 50,000円~120,000円
1LDK 70,000円~200,000円
2DK 90,000円~250,000円
2LDK 120,000円~300,000円
3DK 150,000円~400,000円
3LDK 170,000円~500,000円
4LDK以上 220,000円~要見積もり
同じ間取りでもここまで料金に差があるのは荷物の量が多いほど価格が高くなるからです。また、業者によってサービス内容や料金の差がありますので複数社に見積もりを出して比較する事が大切になります。
整理費用を少しでも抑えるポイントは?
空き家の整理費用を抑えるポイントは「処分する量を減らす」ことです。例えば家電4品目の冷蔵庫やテレビなどは欲しいと思っている方が思いの外多いので、譲るというのも一つです。友人やその近しい人たちに処分するもので欲しいものがあれば譲る事で、結果的に処分する量を減らし整理する費用を抑えることができます。ただし、大型荷物を同型県内に送る場合は約6,000円かかります。知人に譲る際はなるべく取りに来てもらうか、料金を負担してもらうようにしましょう。また地域掲示板サイトなどで地域の人に取りに来てもらうのも一つです。「引き取りに来てもらえば無料で譲ります」などの条件をつけて掲載するのも整理費用を抑えるコツです。
業者を使う上で費用を抑える事はできるか?
業者を使う上で費用を抑えるコツとしては早めに見積もりを取り、オフシーズンに依頼する事で割引した料金で頼むことができます。また片付け業者の相場は「作業量」によって決まるので、事前に荷物がまとめることで値段の交渉を行うことができます。
売れるものは買い取りサービスなどを使うことで全体の支払いを安くすることができます。ただ自分で売ったりすると手間がかかりますので「片付けの時に買い取ってくれる業者」を選ぶとお得に整理することができます。
悪徳業者には注意しましょう
空き家問題が浮き彫りになり整理業者の需要は高まっている反面、悪徳業者が増えているのも事実です。
悪徳業者の代表的な行為としては回収したものを不法投棄したり、高額な請求や追加請求を迫ってきます。また大事な遺品を乱暴に扱い、盗難するケースもあるので整理業者にお願いする時は複数見積もりをとっておかしなところがないか確認してください。
まとめ
空き家問題は地域の問題となっているところもあります。放置しておけば所有者に費用はかかるのはもちろんですが、倒壊の危険性があり近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性もあります。そうならない為にも、必要のないものは整理をして常日頃から空き家の管理を行うか、その後の活用方法をしっかりと考えていきましょう。