滋賀県の相続した一戸建て(築古・中古)、マンション、土地それぞれの売却相場と動向について2023年全般の動向を振り返りつつ、売却市場の特徴や2025年以降の予測を解説しています。
コンテンツ
滋賀県 中古一戸建て売却の2023年から現在までの売却動向と2025年以降の予測
滋賀県 中古一戸建ての販売価格推移
【表 2023年~2025年2月までの一戸建ての販売価格推移(単位:万円/月)】
2023年はこれくらいで売れました
仲介 1,852万円で売れました
買取 1,296万円で売れました
2024年はこれくらいで売れました
仲介 1,827万円で売れました
買取 1,279万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 1,932万円で売れました
買取 1,352万円で売れました
滋賀県 売れた中古一戸建ての特徴を比較
滋賀県で売れた中古一戸建ての特徴を、年次で比較します。
2024年と2023年を比較すると、売れた中古一戸建ての特徴に大きな変化は見られませんでした。
滋賀県では石山駅周辺の「築28年」「建物面積115㎡」「土地面積215㎡」前後の物件に人気が集まっています。
【滋賀県で売れた中古一戸建ての特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2024年 |
2023年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
28.7年 |
28.4年 |
駅徒歩(平均) |
16.1分 |
16.0分 |
建物面積(平均) |
117.73㎡ |
115.32㎡ |
土地面積(平均) |
223.28㎡ |
215.42㎡ |
価格(平均) |
1,827万円 |
1,852万円 |
最寄駅 |
石山駅 |
石山駅 |
2025年以降の一戸建て(築古・中古)需要予測
ずばり、
滋賀県の中古一戸建ては、
- 京都府・大阪府のベッドタウンとして今後も需要が見込めます。
- 今後は草津駅、南草津駅周辺に人気が集まるでしょう。
関西圏のベッドタウンとしての需要が高い
滋賀県は、京都府や大阪府へのアクセスが優れている地域が多いです。
なかでも大津市や草津市、守山市、栗東市は交通の利便性が高く、関西圏のベッドタウンとして根強い人気があります。
加えて、中古一戸建ての価格相場も下記の通り、隣接する京都府よりも安価であることから購入しやすく、注目が集まっています。
【2025年の中古一戸建て成約価格】
2025年 |
1月 |
2月 |
---|---|---|
京都府 |
2,875万円 |
2,515万円 |
滋賀県 |
1,761 万円 |
1,915万円 |
参照:近畿レインズ|マンスリーレポート ダイジェスト 2025年3月号
また、総務省が発表した2018年のデータによると、一戸建て住宅の持ち家比率は全国平均で「64.4%」、滋賀県では「67.4%」となっており、全国平均を「3.0%」上回っています。
滋賀県ではマンションなどの共同住宅よりも、一戸建てを好む傾向が強く、中古一戸建ては今後も一定のニーズが見込めるでしょう。
参考: 総務省統計局|「社会生活統計指標 −都道府県の指標− 2022」
注目は草津市周辺
滋賀県では駅徒歩圏内の利便性が高い住宅地の需要が強く、特に草津市内のJR草津駅、南草津駅周辺の物件に人気が集まっています。
どちらの駅も京都駅へは約20分、大阪駅には約1時間程度でアクセスできるため、通勤や通学に便利です。
近年では南草津駅から徒歩約14分のエリアに新興住宅地「南草津プリムタウン」が誕生するなど、宅地整備が行われています。
また、駅から離れた郊外でもあっても路線バスやコミュニティバス「まめバス」が市内広域で運行されており、生活に必要な交通手段が確保されています。
さらに、「イオンモール草津」や「矢橋帰帆島公園」といった大型商業施設や、自然を楽しめる広大な公園が整備されているため、郊外ならではの魅力も十分に感じられます。
草津市は「住みよさランキング」などでは必ず上位にランクインしており、駅近・郊外にかかわらず売れやすい状況が続いています。
参考:草津市役所 総合政策部 |草津市が全国第10位にランクイン!「住みよさランキング2024」(東洋経済新報社)
滋賀県 中古マンション売却の2023年から現在までの売却動向と2025年以降の予測
滋賀県 中古マンションの販売価格推移
【表 2023年~2025年2月までの中古マンション販売価格推移(単位:万円/月)】
2023年はこれくらいで売れました
仲介 2,499万円で売れました
買取 1,749万円で売れました
2024年はこれくらいで売れました
仲介 2,586万円で売れました
買取 1,810万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 2,471万円で売れました
買取 1,730万円で売れました
滋賀県 売れた中古マンションの特徴を比較
滋賀県で売れた中古マンションの特徴を、年次で比較します。
2024年と2023年に中古マンションの取引価格はほぼ横ばいです。
売れやすい中古マンションの特徴は「築21年」「専有面積73㎡」前後の物件で、今後もニーズがあるでしょう。
また、2023年は「草津駅」周辺に人気が集まっていましたが、2024年は「大津京駅」周辺の中古マンションを中心に取引されており、より京都駅に近い物件に人気が集まりました。
【滋賀県で売れた中古マンションの特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2024年 |
2023年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
21.93年 |
21.7年 |
駅徒歩(平均) |
8.1分 |
8.6分 |
専有面積(平均) |
73.46㎡ |
73.35㎡ |
価格(平均) |
2,586万円 |
2,499万円 |
最寄駅 |
大津京駅 |
草津駅 |
2025年以降の中古マンション需要予測
ずばり、
滋賀県の中古マンションは、
- 今後も需要は継続する見込みです。
- 新施設整備により守山市、栗東市は注目が集まっています。
中古マンション市場は活況
滋賀県の中古マンションの売却価格は、上表を見ると下落傾向です。
ただし、近畿レインズのデータによると、2025年2月時点での中古マンションの成約件数は59件となっており、前年同時期(50件)と比較すると増加傾向にあります。
この傾向は、さまざまな価格帯の物件が売れていることを示しており、需要が減退しているわけではありません。
2023年から2024年にかけては3~4人向けの3LDKの中古マンションに人気が集まっており、この傾向は2025年移行も継続する見込みです。
また、滋賀県では近年、人口が減少しているのに対し、世帯数が増加傾向となっていることから単身世帯や核家族世帯が増えていることが考えられます。
そのため、今後は単身世帯、核家族世帯向けの1DKや1LDK、2LDKの間取りもニーズが集まるでしょう。
参考:近畿レインズ|マンスリーレポート ダイジェスト 2025年3月号
守山市・栗東市で高まるニーズ
今後、中古マンション需要が高まると予測される地域は守山市です。
守山市では「守山駅」周辺を大手電子部品メーカー「村田製作所」の研究開発拠点として整備することが決まり、2026年5月の完成に向けて現在工事が進められています。
施設は18階建てとなっており、1,000人から1,600人が働く見込みとなるので、住宅需要の増加に期待できます。
また、守山市の発展に伴い隣接する栗東市の注目度も高まっており、実際に守山市と栗東市の中古マンション成約件数は前年同月比で増加傾向にあります。
【守山市と栗東市の中古マンション成約数比較】
年/月 |
守山市での成約件数 |
栗東市での成約件数 |
---|---|---|
24/02 |
2件 |
1件 |
25/02 |
9件 |
6件 |
近畿レインズ|マンスリーレポート ダイジェスト 2025年3月号
以上のことから、滋賀県の中古マンション市場は守山市、栗東市を中心にさらに注目を集めていくでしょう。
滋賀県 土地売却の2023年から現在までの売却動向と2025年以降の予測
滋賀県 土地の販売価格推移
【表 2023年~2025年2月までの土地の販売価格推移(単位:万円/月)】
2023年はこれくらいで売れました
仲介 1,570万円で売れました
買取 1,099万円で売れました
2024年はこれくらいで売れました
仲介 1,637万円で売れました
買取 1,146万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 1,557万円で売れました
買取 1,090万円で売れました
滋賀県 売れた土地の特徴を比較
滋賀県で売れた土地の特徴を、年次で比較します。
2024年と2023年を比較すると売れた土地の特徴に大きな変化は見られませんでした。
石山駅周辺の「面積240㎡」前後の土地に取引が集中しており、今後も人気は継続するでしょう。
【滋賀県で売れた土地の特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2024年 |
2023年 |
---|---|---|
駅徒歩(平均) |
15.6分 |
15.6分 |
面積(平均) |
241.19㎡ |
236.27㎡ |
価格(平均) |
1,637万円 |
1,570万円 |
最寄駅 |
石山駅 |
石山駅 |
2025年以降の土地需要予測
ずばり、
滋賀県の土地は、
- 滋賀県は隣接する京都府よりも地価が安く、一定の需要があります。
- 県南部地域の土地は安定した需要が見込めるでしょう。
地価の安さによる需要
滋賀県の土地における売却価格は上表をみると下落傾向ですが、近畿レインズのデータによると、2025年2月時点での土地の成約件数は51件で、前年同時期(46件)と比較すると増加傾向にあり、需要が減退しているわけではありません。
滋賀県の地価は隣接する京都府と比較して安価であり、コストを抑えて住宅を建てられる点で魅力が高いです。
【滋賀県と京都府において取引された土地の㎡単価比較】
年/月 |
24/12月 |
25/1月 |
2月 |
---|---|---|---|
京都府 |
27.33万円 |
22.71万円 |
22.67万円 |
滋賀県 |
8.71万円 |
9.40万円 |
6.79万円 |
近畿レインズ|マンスリーレポート ダイジェスト 2025年3月号
加えて、近年は資材高騰や人員不足により、全国的に新築一戸建ての価格は上昇しており、少しでもコストを抑えて住宅を建てたいというニーズは一定数いると考えられます。
地価の安さに加えて関西圏の中心である京都府に隣接した滋賀県は今後さらに注目が集まっていくでしょう。
二極化により、異なる地域性
滋賀県は京都府、大阪府のベッドタウンとして人気が高いです。
特に草津市、守山市、近江八幡市の3市は滋賀県全体で人口が減少しているなかでも増加となっているため、土地需要が減退する要素は少ないです。
一方で、甲良町や竜王町、高島市、米原市、長浜市といった人口減少が著しい地域もあります。
このように、滋賀県では利便性、居住環境に優れる地域とにぎわいの減っている地域の二極化が進んでいます。
土地の売却を検討する際は、地域性を考慮した販売戦略がカギとなるため、地域のニーズを把握した不動産会社に相談することが重要です。
参考:滋賀県庁 総合企画部|滋賀県と人口世帯数(令和7年2月1日現在)
滋賀県の不動産市況に関連する重要マクロデータの推移
人口推移について
人口は緩やかに減少
2025年2月時点の滋賀県の人口は139万8,972人となり、前年同月比で5,379人減少しています。
滋賀県は2013年の約142万人をピークに減少を続け、2025年2月からついに140万人を切る結果となりました。
滋賀県の人口は今後も減少すると見込まれ、2050年には約122万人まで減ると予測されています。
人口増加率について
人口増加は一部のエリアのみ
2025年2月時点の滋賀県の人口増減率は前年同月比「0.38%」です。
市区町郡別にみると前年比で人口が増加しているのは草津市や近江八幡市、守山市のみとなっています。
【滋賀県内の増減率ベスト5】
順位 |
市区町村 |
増減率 |
---|---|---|
1位 |
草津市 |
0.4% |
2位 |
近江八幡市 |
0.2% |
3位 |
守山市 |
0.1% |
4位 |
栗東市 |
-0.1% |
5位 |
野洲市 |
-0.5% |
【滋賀県内の増減率ワースト5】
順位 |
市区町村 |
増減率 |
---|---|---|
1位 |
甲良町 |
-1.8% |
2位 |
竜王町 |
-1.7% |
3位 |
高島市 |
-1.4% |
4位 |
犬上郡 |
-1.4% |
5位 |
豊郷町 |
-1.2% |
年齢構成について
少子高齢化が進行中
滋賀県の年齢構成は以下のとおりです。
年齢3区分別 |
2025年1月 |
2020年1月 |
---|---|---|
年少人口 |
17万7,140人 |
19万3,768人 |
生産年齢人口 |
81万5,705万人 |
84万2,123人 |
老齢人口 |
37万5,109人 |
36万4,345人 |
2025年と2020年を比べると、比率に大きな変化はありませんでした。
しかし、人数をみると年少人口、生産年齢人口ともに減少し、老年人口のみが増加していることが分かります。
日本全体で進行中である少子高齢化は、滋賀県でも大きな課題となっています。
世帯数について
世帯数は増加傾向
滋賀県の世帯数は2025年2月時点で60万5,446世帯となり、前年同月比(60万3,238世帯)で2,000世帯以上増加という結果でした。
この傾向は1年だけにとどまらず、10年前の2020年と比較すると、以下のようになっています。
年 |
2025年 |
2020年 |
---|---|---|
世帯数 |
60万5,446世帯 |
57万4,510 世帯 |
世帯当たり人員 |
2.31人 |
2.46人 |
2025年と2020年を比較すると5年間で3万世帯以上増加しています。
ただし、1世帯あたりの人員は減少傾向にあり、単身世帯や核家族世帯が増えていることが考えられます。
世帯数の増加は不動産価格を下支えする要素の1つとなるため、滋賀県の不動産市場は活況となっていくでしょう。
参考:滋賀県庁 総合企画部|滋賀県と人口世帯数(令和7年2月1日現在)