千葉県の相続した一戸建て(築古・中古)、マンション、土地それぞれの売却相場と動向について2022年全般の動向を振り返りつつ、売却市場の特徴や2024年以降の予測を解説しています。
コンテンツ
千葉県 中古一戸建て売却の2021年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
千葉県 中古一戸建ての販売価格推移
【表 2021年~2023年12月までの一戸建ての販売価格推移(単位:万円/月)】
2021年はこれくらいで売れました
仲介 2,194万円で売れました
買取 1,536万円で売れました
2022年はこれくらいで売れました
仲介 2,429万円で売れました
買取 1,700万円で売れました
今これくらいで売れています
- 仲介 2,807万円で売れました
- 買取 1,965万円で売れました
千葉県 売れた中古一戸建ての特徴を比較
千葉県で売れた中古一戸建ての特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけての中古一戸建ての平均取引価格は上昇しました。
上昇トレンドは継続しており、2023年も平均取引価格は大きく上昇しています。
【千葉県で売れた中古一戸建ての特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2022年 |
2021年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
23.6年 |
23.8年 |
駅徒歩(平均) |
14.55分 |
14.41分 |
建物面積(平均) |
108.93㎡ |
108.63㎡ |
土地面積(平均) |
200.24㎡ |
188.76㎡ |
価格(平均) |
2,429万円 |
2,194万円 |
取引件数(最多の市町村 |
千葉市 |
千葉市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
千葉駅 |
印西牧の原駅 |
参照: 国土交通省| 不動産情報ライブラリ
・2024年以降の一戸建て(築古・中古)需要予測
ずばり!
千葉県の中古一戸建ては、2024年以降も多くの需要が見込まれます。
2021年から2023年にかけて県内の中古一戸建て取引価格は大きく上昇しており、特に需要が高いエリアは東京都に近い東葛エリアや京葉エリア、印旛エリアです。
都内へのベッドタウンとして人気があり、最寄駅から徒歩15分圏内で土地面積が190㎡前後の物件は、高い需要が見込めます。
なかでも近年注目されているのは流山市です。
2005年につくばエクスプレスが開業すると、東京までのアクセスの良さが注目され、流山おおたかの森駅を中心に住宅都市として開発されました。
その結果、つくばエクスプレス開業後、流山市への転入が増え、世帯数と人口は大きく増加しました。
【流山市の世帯数と人口】
|
世帯数 |
人口 |
---|---|---|
平成17年 |
5万7,844世帯 |
15万910人 |
令和4年 |
9万838世帯 |
20万5,439人 |
|
57.04%増加 |
36.13%増加 |
流山市の人口増加率は全国的にも高い数値を示し、令和4年まで6年連続で人口増加率が全国1位です(全国の市が対象)。
参考:千葉日報|「選ばれる街」存在感示す流山市 人口増加率、6年連続全国1位
流山市の人気の理由は東京までのアクセスの良さはもちろん、子育てしやすい環境の充実にあります。
代表的な例として、「送迎保育ステーション」が挙げられます。
南流山駅と流山おおたかの森駅近辺にある送迎保育ステーションに子どもを預けると、市内の指定保育園まで月額2,000円で送迎してくれるシステムです。
また、市内に保育園を積極的に増やし、令和3年には待機児童ゼロを達成しました。
参考:流山市役所子ども家庭部|送迎保育ステーションのご案内
参考:流山市役所子ども家庭部|「待機児童ゼロを達成
流山市のような都内へのアクセスに特徴がある東葛エリアや京葉エリア、印旛エリアは2024年度以降も、高い需要が見込まれます。
千葉県 中古マンション売却の2021年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
千葉県 中古マンションの販売価格推移
【表 2021年~2023年12月までの中古マンション販売価格推移(単位:万円/月)】
2021年はこれくらいで売れました
仲介 2,370万円で売れました
買取 1,659万円で売れました
2022年はこれくらいで売れました
仲介 2,606万円で売れました
買取 1,824万円で売れました
今これくらいで売れています
- 仲介 2,667万円で売れました
- 買取 1,867万円で売れました
千葉県 売れた中古マンションの特徴を比較
千葉県で売れた中古マンションの特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけて、中古マンションの平均取引価格は上昇しました。
2023年の平均取引価格も、2022年の水準を維持しています。
【千葉県で売れた中古マンションの特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2022年 |
2021年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
26.56年 |
25.8年 |
駅徒歩(平均) |
11.1分 |
11.4分 |
専有面積(平均) |
73.2㎡ |
72.86㎡ |
価格(平均) |
2,606万円 |
2,370万円 |
取引件数(最多の市町村 |
千葉市 |
千葉市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
稲毛駅 |
新浦安駅 |
参照: 参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ
・2024年以降の中古マンション需要予測
ずばり!
千葉県の中古マンション需要は、2024年以降も堅調に推移すると予測しています。
ただし、2023年までの動向をみると需要は東葛エリアや京葉エリア、印旛エリアなどの千葉県の東京都寄りのエリアに限られます。
売買される物件は最寄駅から徒歩12分前後で専有面積が70㎡以上の3LDKが中心です。
2024年以降も中古マンション需要が堅調な理由としては、以下の3つ挙げられます。
- 都心へのアクセスが良く、通勤が便利
- 再開発が進み、利便性が高まる
- 都内に比べて不動産価格が安い
まず大前提として、東葛エリアや京葉エリア、印旛エリアは都心へのアクセスが良く、東京のベッドタウンとして安定的な人気があります。
さらに千葉県内で大規模な再開発の計画や建設が進められているプロジェクトが複数あります。
代表的なプロジェクトには津田沼駅南口の「モリシア津田沼」周辺や船橋市の西武船橋店跡地、幕張駅北口周辺、千葉駅周辺などがあります。
いずれも大型商業施設や高層マンションの建設が計画されており、より住みやすい環境になることが期待されています。
加えて、都内に比べて不動産価格が安い点が魅力的です。
例えば新橋駅へ約30分で通勤できる船橋市と練馬区を比較すると、中古マンションの平方メートル単価は以下のように違います。
【中古マンションの平方メートル単価の比較】(2023年の平均成約価格)
地域 |
平方メートル単価 |
---|---|
船橋市 |
45.2万円 |
練馬区 |
87.7万円 |
参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|マーケットデータ 2023年12月度
同じ通勤時間であるにも関わらず、練馬区よりも船橋市の方が約半額で同じ広さの中古マンションを購入可能です。
都内への通勤が容易で利便性の高いエリアの中古マンションは、今後も安定的な需要が予測されます。
参考:習志野市役所都市再生課|津田沼駅南口地区における再開発
参考:船橋市役所都市計画課|都市計画変更の手続き(西武船橋店跡地)
参考:千葉市役所都市局|東幕張土地区画整理事務所
参考:千葉市役所都市局|千葉駅周辺の活性化グランドデザイン
千葉県 土地売却の2021年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
千葉県 土地の販売価格推移
【表 2021年~2023年12月までの土地の販売価格推移(単位:万円/月)】
2021年はこれくらいで売れました
仲介 1,876万円で売れました
買取 1,313万円で売れました
2022年はこれくらいで売れました
仲介 2,190万円で売れました
買取 1,533万円で売れました
今これくらいで売れています
- 仲介 2,751万円で売れました
- 買取 1,926万円で売れました
千葉県 売れた土地の特徴を比較
千葉県で売れた土地の特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけて、土地の平均取引価格は上昇しました。
上昇トレンドは継続しており、2023年も平均取引価格は大きく上昇しています。
【千葉県で売れた土地の特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2022年 |
2021年 |
---|---|---|
駅徒歩(平均) |
14.07分 |
14.20分 |
面積(平均) |
305.78㎡ |
244.55㎡ |
価格(平均) |
2,190万円 |
1,876万円 |
取引件数(最多の市町村 |
千葉市 |
千葉市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
木更津駅 |
茂原駅 |
参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ
・2024年以降の土地需要予測
ずばり!
千葉県の土地需要は高く、2024年以降も取引価格はなだらかな上昇が続くと予測しています。
国土交通省が毎年行う地価公示によると、2023年の千葉県の地価変動率(住宅地)は「+0.7%」上昇しました。
上昇が目立ったエリアとしては、総武線・京葉線沿線である「千葉市中央区~市川市、浦安市」、常磐線・つくばエクスプレス沿線の「柏市、我孫子市、流山市、松戸市」、東京湾アクアラインの着岸地である「木更津市、袖ケ浦市、君津市」などがあります。
上記エリアは、2024年以降も安定した土地需要が見込まれます。
参考:千葉県町県土整備部|令和5年地価公示に基づく地価動向について《千葉県》
特に今後注目されていくのは木更津市です。
市町村別の平均地価公示を見ると価格は高くないものの、標準地「木更津市金田東4丁目」は千葉県トップの20.9%の上昇率を記録しています。
【市町村別の平均地価公示(住宅地)】
順位 |
市町村 |
平方メートル単価 |
---|---|---|
1位 |
浦安市 |
32万5,700円 |
2位 |
市川市 |
24万300円 |
3位 |
習志野市 |
17万4,800円 |
4位 |
船橋市 |
16万3,700円 |
5位 |
松戸市 |
14万800円 |
6位 |
流山市 |
13万4,600円 |
7位 |
千葉市 |
12万6,600円 |
8位 |
柏市 |
11万6,700円 |
23位 |
木更津市 |
3万6,900円 |
参考:千葉県町県土整備部|市区町村別平均価格順位表《住宅地》
千葉県町県土整備部|標準地変動率順位表《住宅地》
「木更津市金田東4丁目」は三井アウトレットパークの隣に位置し、東京湾アクアラインの木更津金田インターチェンジに近い利便性の高い住宅地です。
木更津市は都市開発に力を入れており、金田西エリアでは、「かずさアクアシティ」という新しい街づくりが進行中です。高速バスターミナルや商業、レジャー施設と多様なライフスタイルに対応した住宅地が融合した多機能複合型の都市づくりを行っています。
都内や羽田空港、成田空港へのアクセスがよい木更津市は、今後の高い需要が期待できます。
千葉県の不動産市況に関連する重要マクロデータの推移
・人口推移について
令和5年4月時点の千葉県の人口は630万7,483人となり、前年同月比で2,007人増加しました。
10年前の平成25年の人口(624万461人)と比較すると、この期間に約1.07%の増加が確認できます。
ただし、令和2年の632万人をピークに緩やかな人口減少の動きがみられ、「千葉県人口ビジョン〔令和2年改訂版〕」によると、令和42年(2060年)の県内人口は約527.5万人にまでと減少すると試算しています。
・人口増減率について
令和5年4月時点の千葉県の人口増減率は前年同月比「+0.03%」です。
千葉県内の人口増減率が高い市町村は、以下のとおりです。
【千葉県内の増加率ベスト5】
順位 |
市区町村 |
増加率 |
---|---|---|
1位 |
印西市 |
+1.91% |
2位 |
流山市 |
+1.85% |
3位 |
成田市 |
+0.73% |
4位 |
柏市 |
+0.68% |
浦安市 |
+0.68% |
【千葉県内の減少率ワースト5】
順位 |
市区町村 |
減少率 |
---|---|---|
1位 |
長南町 |
-2.58% |
2位 |
鋸南町 |
-2.19% |
3位 |
勝浦市 |
-2.07% |
4位 |
銚子市 |
-2.06% |
5位 |
大多喜町 |
-2.04% |
千葉県全体の傾向として、東京都寄りの市町村は人口増加または減少率が低い傾向にあり、東京都から遠い市町村は人口減少率が高いです。
・年齢構成について
千葉県の年齢構成は以下のとおりです。
【年齢3区分別人口の比較】
年齢3区分別 |
令和5年4月 |
平成25年4月 |
---|---|---|
年少人口 |
72万4,299人 |
81万1,257人 |
生産年齢人口 |
384万5,562人 |
400万3,630人 |
老齢人口 |
173万7,622人 |
142万5,574人 |
日本の深刻な問題である少子高齢化は、千葉県でも進行しています。
平成25年から令和5年の10年間で千葉県全体の人口は増加しましたが、内訳を見ると年少人口や生産年齢人口は減少し、老齢人口が増加しています。
市町村別で見ると、人口が増加している印西市や流山市は年少人口の割合が千葉県平均よりも高く、人口が減少している鋸南町や勝浦市は老齢人口が多いです。特に御宿町は老齢人口の割合が50%を超えています。
・世帯数について
令和5年4月時点の千葉県の世帯数は284万9,367世帯で、人口増加とともに世帯数も前年同月比で 3万7,701世帯増加しました。
平成25年から令和5年の10年間で29万3,596世帯が増えていますが、世帯当たりの人員は減少しています。
【世帯数及び1世帯あたりの人員の比較】
|
令和5年4月 |
平成25年4月 |
---|---|---|
世帯数 |
284万9,367世帯 |
255万5,771世帯 |
世帯当たり人員 |
2.21人 |
2.44人 |
参考:千葉県庁総合企画部|統計情報の広場(千葉県の統計情報)
参考:千葉県庁総合企画部|千葉県人口ビジョン〔令和2年改訂版〕