山口県の相続した一戸建て(築古・中古)、マンション、土地それぞれの売却相場と動向について2022年全般の動向を振り返りつつ、売却市場の特徴や2024年以降の予測を解説しています。
コンテンツ
山口県 中古一戸建て売却の2021年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
山口県 中古一戸建ての販売価格推移
【表 2021年~2023年11月までの一戸建ての販売価格推移(単位:万円/月 )】
2021年はこれくらいで売れました
仲介 1,206万円で売れました
買取 844万円で売れました
2022年はこれくらいで売れました
仲介 1,251万円で売れました
買取 876万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 1,373万円で売れました
買取 961万円で売れました
山口県 売れた中古一戸建ての特徴を比較
山口県で売れた中古一戸建ての特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけての中古一戸建ての平均取引価格は、ほぼ横ばいです。
上記傾向は2023年も継続しており、平均取引価格は2022年と同水準です。
【山口県で売れた中古一戸建ての特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2022年 |
2021年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
33.04年 |
33.4年 |
駅徒歩(平均) |
15.1分 |
15.5分 |
建物面積(平均) |
116.77㎡ |
119.55㎡ |
土地面積(平均) |
307.83㎡ |
299.85㎡ |
価格(平均) |
1,251万円 |
1,206万円 |
取引件数(最多の市町村) |
下関市 |
山口市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
防府駅 |
防府駅 |
参照: 国土交通省|土地総合情報システム/レインズ
・2024年以降の一戸建て(築古・中古)需要予測
ずばり!
山口県の中古一戸建ては、2024年以降も瀬戸内海に面した地域に一定の需要が見込まれます。
2023年までの動向をみると、県内の中古一戸建ての需要は二極化が進んでいます。
需要が高い地域は山口市や下関市、防府市、周南市、下松市など瀬戸内海に面した市町で、最寄駅から徒歩15分圏内で建物面積が120㎡前後の物件は、築年数が30年以上であっても高い需要が見込めます。
なかでも近年注目されているのは下松市です。
「街の住みここちランキング2023〈山口県版〉」では、下松市は4年連続で県内第1位を獲得しています。
下松市の人気の理由は、都市整備と商業施設、公共施設の充実にあります。
区画整理事業によって幹線道路が整備され、農地の宅地開発が進行しました。多くの商業施設が進出しており、「ゆめタウン下松」はその代表例です。
住宅が増え、地域の利便性が向上したことで、過去20年間で約5,000世帯、2,000人が増加しました。
【下松市の世帯数と人口】
順位 |
世帯数 |
人口 |
---|---|---|
平成14年(2002年) |
21,896世帯 |
55,166人 |
令和4年(2022年) |
26,738世帯 |
57,120人 |
人口減少が進んでいる山口県の中では特異な自治体となっており、下松市の人気がうかがえます。
また、県民性として山口県では一戸建て志向が強く、全国平均と比較して一戸建てを購入する世帯が多い傾向にあります。
2024年度以降も瀬戸内海沿いの地域では、中古一戸建ての市場に一定の需要が見込まれます。
参考:PR TIMES|いい部屋ネット「街の住みここち&住みたい街ランキング2023〈山口県版〉」発表
山口県 中古マンション売却の2021年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
山口県 中古マンションの販売価格推移
【表 2021年~2023年11月までの中古マンション販売価格推移(単位:万円/月 )】
2021年はこれくらいで売れました
仲介 1,466万円で売れました
買取 1,026万円で売れました
2022年はこれくらいで売れました
仲介 1,631万円で売れました
買取 1,142万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 1,596万円で売れました
買取 1,117万円で売れました
山口県 売れた中古マンションの特徴を比較
山口県で売れた中古マンションの特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけて、中古マンションの平均取引価格は上昇しました。
2023年の平均取引価格も、2022年の水準を維持しています。
【山口県で売れた中古マンションの特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2022年 |
2021年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
21.46年 |
22.0年 |
駅徒歩(平均) |
11.8分 |
11.5分 |
専有面積(平均) |
74.46㎡ |
72.35㎡ |
価格(平均) |
1,631万円 |
1,466万円 |
取引件数(最多の市町村) |
下関市 |
下関市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
徳山駅 |
徳山駅 |
参照: 国土交通省|土地総合情報システム/レインズ
・2024年以降の中古マンション需要予測
ずばり!
山口県の中古マンション需要は、2024年以降も堅調に推移すると予測しています。
ただし、2023年までの動向をみると需要は山口市や下関市、周南市などの山口県の主要都市に限られます。
また、売買される物件の大半は専有面積が75㎡以内の3LDKまたは4LDKです。
なかでも山口市や周南市では山陽新幹線が停車する新山口駅や徳山駅周辺で再開発事業を行っており、高層マンションを中心とした複合施設が誕生予定です。
新山口駅では「エキキタ」の再開発が進行中で、オフィス棟、ホテル棟、賃貸住宅棟、分譲マンション棟の4棟が2025年に完成予定です。
また、徳山駅前地区には、高層マンション・ホテル・商業施設「徳山DECK」が2024年に開業されます。
上記のような駅周辺の再開発により、高額な新築マンションに比べて、割安な中古マンションへの需要が集まる可能性が高いです。
例えば、高齢者の住み替え需要が考えられます。
令和2年の国勢調査によると、山口県の老齢人口比率は34.6%で全国第3位の高齢化率です。
国はライフステージに合わせた住み替えを推進しており、郊外の一戸建てを売却し、便利な中心部のマンションへの住み替えを検討する高齢者が一定数いると見込まれます。
山口市や周南市の利便性の高いエリアの中古マンションは、今後ますます需要が高まっていくことが予測できます。
参考:山口県庁統計分析課|令和2年国勢調査 人口等基本集計結果
参考:国土交通省 土地・建設産業局/住宅局|ライフステージに応じた住み替えの促進
山口県 土地売却の2021年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
山口県 土地の販売価格推移
【表 2021年~2023年11月までの土地の販売価格推移(単位:万円/月 )】
2021年はこれくらいで売れました
仲介 845万円で売れました
買取 592万円で売れました
2022年はこれくらいで売れました
仲介 912万円で売れました
買取 638万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 835万円で売れました
買取 585万円で売れました
山口県 売れた土地の特徴を比較
山口県で売れた土地の特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけて、土地の平均取引価格は上昇しました。
この上昇トレンドは2023年も継続しています。
【山口県で売れた土地の特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2022年 |
2021年 |
---|---|---|
駅徒歩(平均) |
15.5分 |
15.7分 |
面積(平均) |
395.66㎡ |
367.48㎡ |
価格(平均) |
912万円 |
845万円 |
取引件数(最多の市町村) |
下関市 |
下関市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
防府駅 |
防府駅 |
参照: 国土交通省|土地総合情報システム/レインズ
・2024年以降の土地需要予測
ずばり!
山口県の土地需要は高く、2024年以降も取引価格はなだらなか上昇が続くと予測しています。
国土交通省が毎年行う地価公示によると、2023年の山口県の地価変動率(住宅地)は「+0.4%」で、2年連続の上昇です。
調査対象となった17市町のうち11市町で地価が上昇し、山口市や下関市、周南市などの主要都市のほか、和木町、下松市、岩国市、防府市、宇部市など瀬戸内海に面した多くの市町でも地価が上昇しました。
新型コロナウイルスの影響が薄れ、低金利が続いていることが、不動産需要の増加の要因とされています。
特に活発な動きが見られるのは下関市で、将来的に土地需要が高まることが期待されています。
下関市では「日本を代表するウォーターフロントシティ」という構想のもと、あるかぽーと・唐戸エリアの段階的な再開発を計画しており、星野リゾートと協働で事業を進めています。
2025年には「リゾナーレ下関」の開業も予定されており、あるかぽーと・唐戸エリア周辺の土地需要はさらに高まるでしょう。
また、下関市はパソナグループと提携し、下関市北部の豊北地域の活性化にも注力しています。パソナグループから派遣された人材を中心に、空き家や空き地を活用した移住促進が進められています。
日本海側と瀬戸内海側で土地需要の二極化が進んでいますが、今後も瀬戸内海側の土地需要は堅調に推移するでしょう。
参考:山口県庁政策企画課|令和5年地価公示(山口県分)の結果について
参考:下関市役所エリアビジョン推進室|カイキョーリボーンプロジェクト始動!
参考:下関市役所総合政策部|パソナグループとの包括連携に関する協定について
山口県の不動産市況に関連する重要マクロデータの推移
・人口推移について
令和5年10月時点の山口県の人口は129万6,593人となり、前年同月比で1万6,357人減少しました。
10年前の平成25年の人口(141万6,944人)と比較すると、この期間に約8.5%の減少が確認できます。
将来的にも人口減少の傾向は続き、山口県が作成した「山口県人口ビジョン〔改訂版〕」によると、令和27年(2045年)の県内人口は約104万人にまでと減少すると試算しています。
・人口増減率について
令和5年10月時点の山口県の人口増減率は前年同月比「-1.25%」です。
人口が増加している市町村は一つもなく、すべての市町村で人口が減少しています。
山口県内のもっとも人口減少が少ない市町と多い市町は、以下のとおりです。
【山口県内の増減率ベスト5】
順位 |
市区町村 |
増減率 |
---|---|---|
1位 |
防府市 |
-0.03% |
2位 |
山口市 |
-0.61% |
3位 |
下松市 |
-0.61% |
4位 |
光市 |
-1.08% |
5位 |
山陽小野田市 |
-1.21% |
【山口県内の増減率ワースト5】
順位 |
市区町村 |
増減率 |
---|---|---|
1位 |
上関町 |
-5.92% |
2位 |
周防大島町 |
-3.40% |
3位 |
美祢市 |
-3.20% |
4位 |
長門市 |
-2.31% |
5位 |
萩市 |
-2.14% |
山口県全体の傾向として、山口市周辺のエリアでは人口減少率が低く、日本海側のエリアや上関町・周防大島町など島嶼部では減少率が高いです。
・年齢構成について
山口県の年齢構成は以下のとおりです。
【年齢3区分別人口の比較】
年齢3区分別 |
令和4年10月 |
平成24年10月 |
---|---|---|
年少人口 |
14万7,094人 |
18万16人 |
生産年齢人口 |
70万4,109人 |
83万2,648人 |
老齢人口 |
46万1,747人 |
41万8,592人 |
日本の深刻な問題である少子高齢化は、山口県でも進んでいます。
防府市や山口市など人口減少が少ないエリアは、年少人口や生産年齢が多く、老齢人口は少ない傾向にあります。
一方で、人口減少が激しい上関町や周防大島町は、老齢人口が50%を超えています。
・世帯数について
令和5年10月時点の山口県の世帯数は59万6,952世帯で、山口県全体の人口が減少するとともに世帯数も前年同月比で886世帯減少しました。
【世帯数及び1世帯あたりの人員の比較】
|
令和5年10月 |
平成24年10月 |
---|---|---|
世帯数 |
59万6,952世帯 |
60万848世帯 |
世帯当たり人員 |
2.17人 |
2.38人 |
平成24年から令和4年の10年間で3,896世帯が減り、世帯当たりの人員も減少しています。