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【2023年版 総合】静岡県 相続不動産の売却相場解説と予測

静岡県の相続した一戸建て(築古・中古)、マンション、土地それぞれの売却相場と動向について2022年全般の動向を振り返りつつ、売却市場の特徴や2023年以降の予測を解説しています。

静岡県 中古一戸建て売却の2021年から現在までの売却動向と2023年の予測

静岡県 中古一戸建ての販売価格推移

【表 2021年~2023年10月までの一戸建ての販売価格推移(単位:万円/月 )】

2021年はこれくらいで売れました

仲介 1,684万円で売れました
買取 1,179万円で売れました

2022年はこれくらいで売れました

仲介 1,793万円で売れました
買取 1,255万円で売れました

今これくらいで売れています

  • 仲介 1,340万円で売れました
  • 買取 938万円で売れました

静岡県 売れた中古一戸建ての特徴を比較

静岡県で売れた中古一戸建ての特徴を、年次で比較します。

2021年から2022年にかけて、中古一戸建ての価格は上昇しました。

【静岡県で売れた中古一戸建ての特徴 年次推移】

売れた特徴

2022年

2021年

築年数(平均)

26.92年

27.00年

駅徒歩(平均)

16.34分

16.98分

建物面積(平均)

116.49㎡

120.38㎡

土地面積(平均)

264.11㎡

269.71㎡

価格(平均)

1,793万円

1,684万円

最寄駅

浜松駅

浜松駅

参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ

・2023年度以降の一戸建て(築古・中古)需要予測

静岡県における中古一戸建ての取引価格は、2021年から2022年にかけて上昇しましたが、2023年に入り下落傾向です。この傾向は2023年以降も続くと見られています。

取引されている物件は、最寄駅から徒歩20分圏内で270㎡以内の土地面積、価格の落ち始める築25年以降のものが中心です。

また、静岡県の中古一戸建て需要の特長としては、大都市以外でも一定以上の需要があることが挙げられます。

政令指定都市である静岡市と浜松市がもっとも高く、日本の大動脈といわれる東海道新幹線の駅や東名高速道路のインターチェンジがある富士市や沼津市、磐田市、焼津市、三島市などでも多くの中古一戸建てが取引されています。

その他の地域で、注目されているのは袋井市と長泉町で、人口減少が進んでいる静岡県の中で人口増加している数少ない自治体です。市町内の人口が増加しているため、安定した住宅ニーズがあります。
袋井市と長泉町の人口が増加している理由としては、充実した子育て支援策と企業誘致の成功が挙げられます。
例えば袋井市では、ヤマハ発動機やハウス食品などの大手企業の工場や、炭焼きレストラン「さわやか」の本社を誘致し、人口流入の基盤を作ってきました。
また、長泉町は首都圏へのアクセスの良さや中学修了までは医療無料などの子育て支援が人気を呼び、「静岡県内の住みやすい街」では常に上位にランクインしています。

取引価格は下落傾向ですが、上記のような各自治体の取り組みによっては今後中古一戸建てのニーズが高まる地域もでてくるでしょう。

参考:袋井市役所|子育て支援
参考:長泉町役場|子育て支援
参考:日本経済新聞|静岡県の住みやすい街、長泉町が3年連続首位

静岡県 中古マンション売却の2021年から現在までの売却動向と2023年の予測

静岡県 中古マンションの販売価格推移

【表 2021年~2023年10月までの中古マンション販売価格推移(単位:万円/月 )】

2021年はこれくらいで売れました

仲介 1,912万円で売れました
買取 1,338万円で売れました

2022年はこれくらいで売れました

仲介 1,992万円で売れました
買取 1,394万円で売れました

今これくらいで売れています

  • 仲介 1,462万円で売れました
  • 買取 1,023万円で売れました

静岡県 売れた中古マンションの特徴を比較

静岡県で売れた中古マンションの特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年にかけては、中古マンションの価格はゆるやかに上昇しています。

【静岡県で売れた中古マンションの特徴 年次推移】

売れた特徴

2022年

2021年

築年数(平均)

25.37年

23.5年

駅徒歩(平均)

13.21分

12.77分

専有面積(平均)

69.83㎡

69.77㎡

価格(平均)

1,992万円

1,912万円

最寄駅

浜松駅

浜松駅

参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ

・2023年度以降の中古マンション需要予測

静岡県の中古マンションの需要は二極化しており、特定の地域に需要が集中しています。2023年以降もこのトレンドは変わらないでしょう。

需要が高いエリアとしては、西部エリアの浜松市、中部エリアの静岡市、東部エリアの富士市と沼津市が活発に取引されており、これらの地域での取引が県全体の約87%を占めています。

なかでも、特に需要が高いのは浜松市中区、静岡市葵区、及び静岡市駿河区です。
浜松市では、「浜松市立地適正化計画」を策定し、人口減少と少子高齢化に対応したコンパクトな街づくりが推進されており、中心部の再開発を積極的に進めています。
例えば、ヤマハ発動機の工場跡地に建てられた分譲マンション「ブライトタウン早出ザ・テラス」と商業施設の複合開発、そしてJT浜松工場跡地の「スマートタウン・一条タウン西伊場」の開発は、市中心部に住むことで生活圏をコンパクトにし、車に依存しない生活を促進するものです。
そのため、子育て世代だけでなく、郊外に住む高齢世帯の住み替え需要を刺激しています。

郊外から中心部への人口の回帰現象は、高齢化社会の進展に伴い、浜松市だけでなく他の市町村においても見られると予測されます。そのため、中心部のマンションは一定の需要が見込まれるでしょう。

参考:浜松市役所都市整備部|浜松市立地適正化計画について

静岡県 土地売却の2021年から現在までの売却動向と2023年の予測

静岡県 土地の販売価格推移

【表 2021年~2023年10月までの土地の販売価格推移(単位:万円/月 )】

2021年はこれくらいで売れました

仲介 1,530万円で売れました
買取 1,071万円で売れました

2022年はこれくらいで売れました

仲介 1,568万円で売れました
買取 1,098万円で売れました

今これくらいで売れています

  • 仲介 1,570万円で売れました
  • 買取 1,099万円で売れました

静岡県 売れた土地の特徴を比較

静岡県で売れた土地の特徴を、年次で比較します。
2021年から2022年の土地の取引価格は、ほぼ横ばいです。

【静岡県で売れた土地の特徴 年次推移】

売れた特徴

2022年

2021年

駅徒歩(平均)

16.72分

16.69分

面積(平均)

295.36㎡

260.92㎡

価格(平均)

1,568万円

1,530万円

最寄駅

浜松駅

浜松駅

参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ

・2023年度以降の土地需要予測

2023年も静岡県全体の土地需要は、県経済の中心である静岡市と浜松市だけではなく、県内の他の市町にも安定した需要が見込めます。

ただし、県内の地価動向は一様ではありません。
静岡市(葵区・駿河区)、浜松市(中区・東区・浜北区)、三島市、長泉町などで地価が上昇していますが、浜松市(天竜区)、伊豆市、東伊豆町、河津町といった山間部では地価の下落が顕著です。

なかでも、東部エリアの長泉町と三島市は、ここ数年「転勤しない移住地」として県外から大きな注目を集めています。新幹線を利用した東京圏への通勤者の増加と、東駿河湾環状道路の開通による東名高速道路及び新東名高速道路へのアクセス向上が、中心部および近郊地域での住宅ニーズを高めています。

また、静岡県は全国平均に比べて土地を購入し、注文住宅を建てる層が多いことが特徴です。住宅金融支援機構の統計によると、新築住宅購入時に建売住宅よりも土地を購入して自分で家を建てる傾向が強いことがわかります。

【注文住宅と建売住宅の比較】

注文住宅

建売住宅

静岡県

41.94%

58.06%

愛知県

27.78%

72.22%

神奈川県

24.02%

78.98%

東海圏平均

35.10%

64.90%

静岡県は都市機能の発展と首都圏や愛知県への良好なアクセスにもかかわらず、神奈川県や愛知県より地価が低いです。そのため、土地を購入しやすく、注文住宅数が増加していると考えられます。

上記を踏まえると、2023年以降も静岡県内での土地需要は安定して継続すると予測できます。

参考:住宅金融支援機構|2022年度集計表

静岡県の不動産市況に関連する重要マクロデータの推移

・人口推移について

静岡県の人口は令和4年10月時点で358万2,194人となり、前年の調査より2万4,286人減少しています。
15年前の平成19年に記録した370万人をピークに静岡県の人口は減少しており、静岡県の予測では18年後の令和22年には約294万人まで減少するとしています。

市町村別のデータを見ると、袋井市・長泉町・吉田町の3市町のみ増加しており、その他の市町はすべて前年よりも減少しました。

・人口増減率について

令和4年の静岡県の人口増減率は「-0.67%」となり、各市町は以下のとおりです。

【静岡県内の増加率ベスト3】

市町

増加率

袋井市

0.55%

長泉町

0.129%

吉田町

0.127%

【静岡県内の増減率ワースト5】

市町

減少率

川根本町

-3.35%

西伊豆町

-3.01%

松崎町

-3.00%

河津町

-2.18%

熱海市

-2.10%

静岡県における人口増減率の傾向を見ると、伊豆半島の市町で減少率が特に高いことがわかります。人口減少率が最も高い10の市町の中で、8つが伊豆半島に位置しています。

・年齢構成について

静岡県の年齢構成は以下のとおりです。

【年齢3区分別人口の比較】

年齢3区分別

令和4年
人口(構成比)

平成24年
人口(構成比)

年少人口
(0~14歳)

41万6,965人
(11.77%)

50万1,371人
(13.5%)

生産年齢人口
(15~64歳)

203万4,528人
(57.42%)

228万5,315人
(61.5%)

老齢人口
(65歳以上)

109万1,752人
(30,81%)

92万8,204人
(25.0%)

日本の深刻な問題である少子高齢化は、静岡県でも進んでいます。
一方で、袋井市や長泉町など人口が増加している市町は、年少人口や生産年齢が多く、老齢人口は少ない傾向にあります。
例えば長泉町は、年少人口の割合(15.53%)・生産年齢人口の割合(61.77%)ともに、静岡県内で最も高い割合となり、反対に老齢人口の割合(22.70%)は県内で最も低い数値です。

・世帯数について

令和2年の国勢調査によると、静岡県の世帯数は147万9,735世帯で、静岡県全体の人口は減少していますが、世帯数は平成27年の国勢調査より5万135世帯増加しました。
この傾向は今回だけのものではありません。

【世帯数及び1世帯あたりの人員の比較】

令和4年

平成27年

世帯数

147万9,735世帯

142万9,600世帯

世帯当たり人員

2.46人

2.59人

平成12年から令和2年の20年間で約27万世帯が増えていますが、世帯当たりの人員は減少しています。
参考:静岡県庁デジタル戦略局|令和4年静岡県推計人口年報
参考:静岡県知事直轄組織デジタル戦略曲|令和2年国勢調査 静岡県の人口(速報値)
参考:静岡県知事直轄組織政策推進局|長期人口ビジョン及び総合戦略

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