「マンションを売る場合、次の買主に駐車場を引き継ぐことはできないの?」
「駐車場を引き継ぎできない場合は、どうすればいいの?」
など、マンション売却に伴う「駐車場引き継ぎ」について悩んでいる方も多いです。
結論から言えば、マンションの駐車場は引き継ぎできない可能性が高いです。
マンションを売却する上で、駐車場の有無は売却金額に大きな影響を与えます。
高値で早く売却をしたい場合は、駐車場に関する知識をえ必ず頭に入れておきましょう。
そこで本記事では、以下2点について詳しく説明をしていきます。
- マンション駐車場を引き継ぎできるケースと引き継ぎできないケース
- 駐車場の引き継ぎができない場合の対処法
この記事を読めば、マンション売却時に駐車場の権利問題で悩むことは無くなりますので、参考にしてみてください。
駐車場部分が共用スペースの場合は引き継げない
マンションの駐車場が共用スペースになっている場合、買主に駐車場の使用権利を引き継ぐことはできません。
マンション売却を考える際に「自分が使っている駐車場だから、新しい買主に引き継げるのでは?」と考える方は大変多いです。
しかし、多くのマンションの駐車場は専有部分ではなく共用スペースです。
共用スペースは区分所有者全員の財産であり、管理組合に権限があります。
つまり、普段は住民全員のものである駐車場を借りて、使っているということです。
そのため、売却時に駐車場を勝手に引き渡すことはできません。
駐車場が専有部分になっているケースもありますが、近年のマンションではほぼ共用スペース扱いです。
マンション売却の際に「駐車場が付いている物件」と、誤った情報を伝えないようにしましょう。
共用スペース(共用部分)とは…
住戸の内側以外のスペースのこと。駐車場やエントランスなど。
駐車場部分を引き継げる場合はある?
前述の通り、駐車場は基本的に共用スペースです。
つまり、「住人で共有している駐車場を借りて使っている」扱いです。
そのためマンションを売却しても買主に引き継ぎはできません。
しかし、駐車場を引き継ぎできるケースもあります。
それは以下の2つの場合です。
- 駐車場が専有部分である
- 「引き継ぎ可能」と管理規約に明記されている
一部のマンションでは、駐車場が専有部分になっています。
専有部分であれば、売却に伴って駐車場を新たな買主に引き継ぐことが可能です。
また、駐車場が「引き継ぎ可能」であることを明記されている場合もあります。
共用スペース扱いではあるものの、管理組合が認めているため使用契約書の名義変更をすれば問題ありません。
駐車場の使用権を次のオーナーに引き継ぎができます。
マンション売却時には、駐車場が専有部分なのか、引き継ぎ可能なのかをよく確認しましょう。
駐車場はマンションの売買価格に影響する?
駐車場の有無が、マンション売買価格に影響を与える場合があります。
都市部であれば比較的影響は少ないですが、車が必須な地方部では大きく値段が変動することも。
ここでは、駐車場の有無が都市部と地方部でどのように影響するかを解説します。
自分の所有する物件や、購入予定の物件と照らし合わせていきましょう。
都市部や駅近マンションの場合
都市部や駅近マンションの場合、駐車場の有無がマンション売買価格に大きくは影響しません。
都市部では公共交通機関が充実しているため、駐車場が必要でない家庭が多いのです。
「一般社団法人 自動車検査登録情報協会」によると、東京都の1世帯あたり自動車保有台数は0.5台以下と1台を切っています。
つまり、東京では「1世帯につき1台の車もない」状況なのです。
エリアにもよりますが、都市部や駅近だと駐車場へのニーズはそれほど高くありません。
そのため、売却金額への影響は限定的です。
車などが必要な地方マンションの場合
地方の場合は駐車場が付いていないと売却金額が安くなる上に、買い手が見つかりづらくなります。
地方ではほとんどの世帯が車を所有しているため、駐車場の有無は死活問題です。
そのため、駐車場がないマンションは真っ先に選択肢から外されることに…
以下は、「都道府県別の自家用乗用車の普及状況(平成30年3月時点)」による、主な地方の1世帯あたり台数です。
青森:1.230台
岩手:1.407台
宮城:1.303台
秋田:1.391台
山形:1.677台
福島:1.563台
山梨:1.546台
富山:1.694台
長野:1.583台
福井:1.746台
佐賀:1.521台
宮崎:1.286台
熊本:1.327台
このように、地方では1世帯につき1台以上の車を所有しているのが当たり前です。
築年数が浅く立地が良いマンションでも、駐車場がなければ売れ残る可能性があるでしょう。
逆に、駐車場が引き継ぎできるマンションであれば、売却金額は高く買い手も見つかりやすくなります。
都市部や駅近マンションとは違い、地方のマンションは駐車場付きがほとんどです。
地方のマンションは駐車場付きでないとかなり売却時に不利である、と覚えておきましょう。
駐車場が必要な地域なのにマンションにない場合
「駐車場が必要になる地域だけど、マンションに駐車場がない…」
という場合はどのようにすればいいのでしょうか。
このケースでは物件を売るための工夫が必要です。
駐車場へのニーズが高いにも関わらず用意できない場合は、売却が難しくなるからです。
駐車場が必要な地域かつ、マンションに駐車場がない場合は、マンション近くの月極駐車場を確保しましょう。
近くの月極駐車場を確保できれば、「車を停められる」と買主に安心感を与えることができます。
ですが、月極駐車場がマンションから遠い場合は確保しても効果は期待できません。
買主としては、不便な思いをするくらいなら、他のマンションを検討するからです。
できるだけ近くて停めやすい月極駐車場を確保することをおすすめします。
マンションを貸す場合も注意が必要
マンションを賃貸に出す場合も、駐車場の扱いには注意しましょう。
売却時と同じように、駐車場を引き継げない可能性があります。
管理規約を参考に、引き継ぎ可能かどうかを必ず確認してくださいね。
また、賃貸をする時も売却のケースと同様に、駐車場に不備があればカバーできるように対策しましょう。
駐車場を引き継ぎできない場合は近くの月極駐車場を確保するなど、不備を補うことが大事です。
地域にもよりますが、駐車場スペースの有無によって賃貸需要は大きく変わります。
駐車場ニーズが高いエリアでは、駐車場がないと借り手を見つけるのが難しいです。
少しでも良い条件で借り手を見つけたい場合は、早いタイミングで駐車場の状況を確認し、対策を立てることが重要ですよ。
まとめ
今回は、マンション駐車場の引き継ぎに関する問題や、駐車場がないマンションを売却する場合の対処法について紹介いたしました。
最後にもう1度、ここで紹介した大事なポイントをまとめると、次の4点です。
- 駐車場が共有スペースの場合は引き継ぎできないことが多い
- 駐車場が専有部分もしくは管理規則で引き継ぎ可能と明記されてあれば引き継ぎできる
- マンションの駐車場が用意できない場合は近くの月極駐車場を用意するなど対処する
- 地域によっては駐車場の有無が売買に大きな影響を与える
マンション売却において、駐車場があるか無いかは大きな違いです。
駐車場の権利事情をきちんと理解して、マンション売却を成功させましょう。
これからマンション売却を考えている方は、一括査定サイトがおすすめです。
下記の内容も参考にしてみてくださいね。