不動産を売却する際は、どのような値段になるか分からないのではないでしょうか。実は、不動産を売却する際の値段を調べる方法があります。ここでは、「実勢価格」から調べる方法、「固定資産税納税通知書」から調べる方法、「路線価」から調べる方法、「公示価格」から調べる方法、「実際の成約価格」から調べる方法、についてご紹介します。この記事を読めば、不動産を売却する際の値段が分かります。
「実勢価格」から調べる方法
実勢価格は時価とも言われており、市場で売買されている価格です。最近は、どの程度の価格で同じ地域や同じ程度の大きさの土地が売買されているかなどが分かるようになりました。実勢価格を調べる方法としては、次のようなものがあります。
ネットの一括査定サイトを使う
ネットの一括査定サイトを使うことで軽であるにも関わらず、非常に高い精度の実勢価格を手軽に調べることが可能です。いくつもの不動産業者がどの程度で売却できそうかを詳しく調べているので、使わないと損します。またいくつもの不動産業者の査定額を比べることによって、売却価格を決める際に参考となるでしょう。
近くの不動産業者や不動産紹介サイトで調べる
最も楽で早く実勢価格を調べる方法は、自宅に投函されたチラシやネットの不動産情報サイトを見るものです。近くの不動産業者で貼っているチラシなども確認すれば、売却価格に近いものを把握することができます。概略の価格を調べるのみであるため、多くの件数を取り扱っているサイトを見るようにしましょう。しかしこの価格は、基本的に売出しされているものであり実際にこの価格で売却できたということではないため注意してください。というのは、値引き交渉を売却する前にされている場合も多いのが実情だからです。あくまで目安ですが、実際はこの価格から1割くらい値下がりしていると思っておくといいでしょう。
「土地総合情報システム」を使う
土地総合情報システムは国土交通省が運営している情報データ集です。不動産を買った人のアンケート結果をベースにしており、不動産の売却価格やそれぞれの都道府県の地価調査の価格なども分かります。データ量が少ないため、自分が持っている土地と同じようなデータが無いことの方が多いですが、もしあれば実勢価格の参考になるでしょう。
「固定資産税納税通知書」から調べる方法
土地を所有している場合は、固定資産税納税通知書が毎年5月に送られてきます。この書類の中に書かれていることは、「都市計画税額」と「固定資産税額」などです。これ以外にも、その税額にどうしてなったかというベースになる「固定資産税評価額」が書かれています。固定資産税評価額というのは、各市区町村が毎年近くの不動産売買事例から計算した金額です。
この固定資産税評価額を1.14倍すると、相場価格が簡単に分かります。このようにして計算した相場価格は、必ずしも間違いないということではありません。土地の相場価格は特例もあるため、価格がさらに下がったり上がったりする場合があります。そのためそのまま信用するのはリスクがありますが、参考にするには十分でしょう。
「路線価」から調べる方法
路線価というのは、道路に接している1㎡あたりの宅地の価格です。テレビなどでは、国内で最も高い路線価が報道されることが多いかと思います。路線価は、相続税のためのものと固定資産税のためのものがありますが、実勢価格を調べて近くに同じような大きさの土地や売却している土地なかった場合は、路線価を参考にしましょう。
また、国税庁のホームページでも路線価は調べられます。相場目安を路線価から計算することが可能です。また、3割~4割実勢価格よりも低い路線価をベースにして査定額を計算している不動産業者も多くいます。この計算方法は、相当おおまかなものであるため、基本的に参考程度にしましょう。
土地の価格相場は、前面道路の路線価を0.8で割って1.1を掛けたものです。基本的に普通の宅地では1.1を掛けて計算しますが、人気がある地域であれば1.25を掛け、田舎であれば0.9を掛けて計算します。しかしこれらはあくまで相場であるため、価格は相対的な道路との位置や土地の形状などによって変動するでしょう。なおどのような土地が高く売却できるかは、ネットなどで紹介されているため参考にしてみてください。
「公示価格」から調べる方法
売却相場は、公示価格を使用して把握することができます。公示価格は路線価や固定資産評価額と比較しても精度が最も高いとされており、かつ誰でも専用のサイトで確認することができる手軽さも兼ね備えています。
しかし公示価格は全ての地域で公表されておらず、特定の地域でのみの公表となっています。公示価格が自分の土地の近くにない場合は、正確性がない数値と言えるでしょう。県庁所在地の場合は公示価格がほとんどの地域でありますが、田舎などでは表示されない場合が多くあります。
なお、公示価格は「全国地価マップ」でも調べることが可能です。国土交通省や国税庁のホームページで公示価格を調べるのは、手間が結構掛かります。しかし、一般財団法人資産評価システム研究センターがサービスしている全国地価マップを使用すると、4つの公的な基準地価・固定資産税評価額・路線価・公示価格の土地評価情報を調べることが可能です。
基準地価というのは普通の土地売却価格に対する指標で、3割~4割が実勢価格よりも低くなっています。土地評価額というのは、土地を評価した価格です。この評価基準としては路線価と基準地価の他に、固定資産税評価額という固定資産税を決定する目安になるものと公示価格という国土交通省が公示するものがあり、さらに実勢価格という市場の売却価格と不動産鑑定評価という不動産鑑定士によるものを含めれば、6つ土地価格の評価基準があります。土地を売却する際には、路線価・実勢価格・基準地価が必要になるため特に注視する必要があります。
「実際の成約価格」から調べる方法
実際の成約価格から調べる場合は、レインズ・マーケット・インフォメーションを使用します。レインズ・マーケット・インフォメーションは指定流通機構が運営しており、不動産の実際の成約価格などを公開しているものです。指定流通機構は国土交通大臣が宅地建物取引業法に基づいて指定したもので一般的に「レインズ」と言われており、全国に東日本レインズ・近畿レインズ・中部レインズ・西日本レインズの4つの法人が設立されています。
レインズには不動産業者の持っている不動産情報が登録されており、透明性を不動産流通市場において確保する役目を担っています。レインズによって不動産情報が不動産業者間でリアルタイムに交換されており、最も適した買い主を見つけることが可能です。
しかし法的に免許業者の不動産業者が背負う守秘義務を条件にレインズの情報は交換されているので、一般の人には公開されていません。そのため一般の人が適切に相場価格を掴んで不動産売買が安心してできるようにということから、レインズ・マーケット・インフォメーションというシステムが開発されました。このレインズ・マーケット・インフォメーションでは、実際の成約価格が調べることができます。