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不動産売却時に生じる手付金について知っておきたいこと

不動産売却に伴うお金は、普段扱わない大きさの額になり、また、契約時期と引き渡し時期にタイムラグがあることも多くなっています。そのため、契約を結んだ時に、売買価格の全額が支払われることは少なく、代わりに手付金が支払われます。手付金は、いつ手に入るのか、返さなくてはいけない状況もあるのか、いくらくらいが適当なのか、など、手付金について知っておきたいことをまとめてみました。

不動産売却の流れと手付金

 不動産売却の流れを見てみましょう。

①不動産を売却することを決めた後、仲介会社やインターネット、口コミなどを使って買い手を探します。
②購入希望者が見学や内覧をします。
③買い手が購入意思を固めたら売買契約を結びます。この際、買い手は売り手に手付金を支払います。
 売買契約を結ぶ際には、司法書士や宅地建物取引士といった専門家の立会いの下に、結ぶことが多くなっています。契約書には、売買に関連したすべてのことが記載されます。売買価格や条件、売却される不動産に関する情報などに加えて、手付金に関しても記載されている必要があります。
④売買契約に記載された時期に売却者は物件を引き渡します。
同時に、買い手は売り手に売買契約書に記載されている売買代金全額を支払います。ただし、通常は売り手が買い手にこの時点で手付金を返す形にはせず、手付金を売買代金に充当する方法をとるため、買い手が売り手に支払う売買代金は、支払うべき額から手付金額を引いた金額になります。
 物件引き渡し時に買い手が売り手に支払うのは、売却代金だけではありません。固定資産税と都市計画税の清算金も慣例上支払う必要があります。固定資産税と都市計画税は、毎年、1月1日の所有者が納税義務者となります。納税額も、1月1日に決まります。年の途中で所有者が変わっても、納税義務者は翌年の1月1日が来るまで変わりません。そのため、税制上は、既に売却して自分のものではなくなった不動産の固定資産税を前の所有者が支払わなくてはならなくなります。不動産の売却日以降の固定資産税と都市計画税に関しては、買い手の負担となるので、日割り計算して、買い手が売り手に支払うことになります。

手付金はいつ支払う?

 不動産売買契約で支払われる手付金は、③の売買契約を結んだ時点で、買い手が売り手に支払います。手付金の支払いをもって、売買契約が成立します。ある意味、手付金は契約成立の証拠としての役割も果たしています。手付金を支払うことで、契約を結んだ後に簡単に契約を反故にできないようになっています。

手付金に関して契約書に記載されるべきこと

手付金の支払いは、売買契約が成立する要件の一つとみなされています。手付金に関する情報は、売買契約書に記載されます。通常掲載される内容には次のようなものがあります。

①買い手が売り手に支払う手付金の額と支払方法
 手付金の支払い方法は、額にもよりますが、現金で手渡しということはあまりありません。銀行振り込みが多くなっており、その場合には、銀行情報なども記載されることがあります。
②手付金の扱い
売却代金を全額支払った際に、手付金をどうするかについても記載します。
③契約を解除する際の手付金の位置付け
手付金を支払って、売買契約を交わした以上、簡単に契約をなかったものにすることはできません。解除に伴ってどういったペナルティがあるかについても記載します。
④手付金の解除が可能な期限
 いつまでなら契約の解除が可能なのかという期限についても記載します。住宅ローンの審査が通らなかった場合についても、記載しておきましょう。

手付金に関して知っておきたいこと

 手付金に関連する項目を更に詳しく見てみましょう。

手付金の額

 手付金の額については、明確な規定はありません。不動産会社が売却者となる場合には、売却額の20%を超えてはいけないという規定がありますが、個人が売却者となる場合には、そういった規定の縛りはありません。
 不動産売買取引時に関して不動産会社がおこなったアンケートによると、18%ほどの人が10万円以下で、最も多い27%の人が100万円という切りの良い額を選んでいます。手付金の性質から行くと、10万円以下の額では、ちょっと問題があっただけでも簡単に購入をあきらめてしまいそうに思えます。不動産仲介業者によっては、50万円、100万円といった形で金額を指定するところもあれば、売却金額の○%としている所もあるようです。

手付金の扱い

手付金は、売却代金ではありませんから、売却代金全額を買い手が売り手に支払った時点で、手付として支払われていたものを売り手が買い手に返すという形をとるべきなのかもしれません。しかし現実には、ある程度まとまった金額をやり取りするよりは、売買代金の一部として、残っていた代金を支払う際に、売買代金に充当する方が便利なため、こういった形で処理されていることが多くなっています。

手付金の返還に関する取り決め

手付金を支払って、売買契約を交わした以上、簡単に契約をなかったものにすることはできません。
通常、買い手側の事情で、買い手側から契約を解除する際には、買い手は手付金を放棄しなくてはなりません。その場合、売り手は買い手に手付金を変換しないですみます。
売り手側の都合で契約を解除する場合には、売り手側は、手付金を買い手に返還するだけでなく、手付金と同額の違約金を支払わなくてはなりません。結果的に、手付金を倍返しする形になります。手付金は、契約が終わって支払われたら、好きなように使ってよいという性質のお金ではありません。変換しなくてはならない可能性もありますから、家の引き渡しが終わるまでは、大切にとっておきましょう。

手付金の解除期限

手付金の解除、つまり契約を白紙に戻せる期限も契約書の中に含めておきましょう。
 家の購入時には、購入者の多くが、ローンを組んで家を購入します。契約時に、買い手は売り手に手付金を支払います。住宅ローンが正式に決まり、支払いがされると、残金を売主に支払います。
 ただし、住宅ローンには審査があります。当然ながら、審査に通らないこともありえます。住宅ローンの審査に通らなければ、お金は借りられず、家の購入をあきらめることになります。そうなった場合、売り手は買い手に手付金を返還して、契約は白紙に戻ります。ローンが通らなかった場合に関する住宅ローン特約についても、契約書に記載する必要があります。
 ローン審査には、通常、2週間~4週間程度の時間がかかります。そのため、家の引き渡し時期は、契約を交わしてから1か月ほど後に設定されることが多くなっています。

不動産売買契約書はプロに

 不動産売買契約書は、手付金一つをとっても詳細に規定しておかなくてはいけない要件が多く、契約書全体では、さらに多くの要件を明らかにしておく必要があるため、普段不動産を扱っていない人が作成するのは危険です。
 住宅の売買は、売却金額も大きくなるため、不動産仲介業者や、契約に関しては司法書士や弁護士を挟む必要があります。仲介手数料を節約しようとするあまり、逆に不利益を被ったり、損をしたりすることになりかねませんから、気を付けましょう。

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