任意売却物件は、市場価格より1割~2割程度安く買うことができます。そのため、任意売却物件を買いたいと思っている人もいるのではないでしょうか。ここでは、任意売却物件を探す方法についてご紹介しましょう。
任意売却物件を探す方法
任意売却物件は、債務整理についての知識が不動産取引に関する知識以外に必要になり、交渉を債権者と行ったりするなどの手続きがあります。そのため、任意売却物件の場合は、専門に任意売却物件を取引している不動産業者に頼むのがおすすめです。このような不動産業者としては、次のようなところがおすすめです。
任売市場
任意売却物件を専門に取引しているサイトで、対象の地域は首都圏の東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県の全てです。任意市場では、任意売却物件を探したり、査定したり、売る相談をしたりするなどができます。
NBC不動産情報センター
任意売却物件を探したり、買ったりすることができるサイトです。全国の競売物件、任意売却物件のポータルサイトです。NBC不動産情報センターは、都道府県から任意売却物件を探すこともできます。
東京情報センター(株)
メインとしては売却・購入・相続・管理・資産整理の総合コンサルティングで、首都圏において不動産仲介・取引・賃貸管理を行っています。東京情報センター(株)は、税理士事務所や弁護士事務所の多くとも連携しています。
任意売却物件を買う際にかかる費用
基本的に、任意売却物件を買う費用は普通の不動産を買う場合と同じで、次のようなものがあります。
- ・登録免許税
- ・不動産取得税
- ・売買契約書に貼る印紙代
- ・不動産業者の仲介手数料
- ・保険料(火災保険などに入る場合)
- ・融資事務手数料(融資を受ける場合)
なお、それぞれの内容の詳しいことについては、ネットなどで紹介されているため確認してみましょう。
任意売却物件を買う際の流れ
任意売却物件を買う際の流れは、次のように普通の不動産を買う場合と同じです。
予算規模を決める
まず、予算規模をどの程度にするか決めます。不動産を買う場合は、金額が大きくなるので、資金に余裕を持っておくことが大切です。自己資金だけで足りなくなる場合は、ローンを利用することも考慮しておきましょう。
物件を選ぶ
一般的に、物件を探す場合は、予算、地域、駅までの時間、間取りなどを考慮しましょう。しかし、任意売却物件は、普通の物件のようにそれほど多くないため、希望する条件に合うものが無いかもしれません。そのため、ある程度条件を妥協することも必要でしょう。
不動産業者を選ぶ
次に、物件を実際に探します。任意売却物件のサイトはいろいろあるため、自分で探すのもいいでしょう。しかし、いい条件の任意売却物件は、サイトで紹介される前にすでに売れている場合もよくあります。そのため、任意売却物件を探す場合は、不動産業者に頼む方がいいでしょう。
物件を確認する
希望するような任意売却物件が見つかった場合は、実際に現地で物件を確認しましょう。
買付証明書を出す
物件を確認して気に入れば、物件を買う意思があることを売主に伝えるために買付証明書を出します。買付証明書には、一般的に、物件の情報、買う人の情報、買いたい希望額、支払い方法、手付金などが書かれています。
なお、買付証明書は、基本的に物件を買いたいという意思を示したもので、物件が必ず買えるということではないため注意しましょう。買付証明書が出てきた順に売主は考えるため、初めに買付証明書を出した人が売主と最初に交渉することができます。
重要事項を説明する
買うことが決まると、買う物件について不動産業者の宅地建物取引主任者が重要事項を説明します。重要事項の説明の場合は、基本的な物件の情報、インフラの道路などの整備関係、契約条件、法律上の制約、などについてチェックしましょう。
手付金を払って売買契約を結ぶ
重要事項の内容について問題なければ、当日に売買契約を売主と結びます。売買契約書としては、取引の目的物の表示、手付金、売買代金と支払日、手付解除、契約に違反した際の解除、瑕疵担保責任、ローン特約、危険負担、反社会的勢力の排除、などをチェックする必要があります。
審査を受ける(ローンを利用する場合)
ローンを利用する場合は、審査を受けます。一般的に、審査期間としては、2週間~4週間程度になります。審査に受かると、ローンの契約を正式に結びます。なお、ローンの申請方法、審査基準などに関しては、ネットなどで詳しく紹介されているためチェックしておきましょう。
決済する
売主に残りの代金を払うと、物件が引き渡しされます。決済が終わった後、登記手続きを物件がある法務局で行います。謄本は、申請してから3週間くらいでもらえます。
任意売却物件を買う際に注意すること
普通の物件を買う場合とは違って、任意売却物件を買う際には注意することがあります。ここでは、任意売却物件を買う際に注意することについてご紹介しましょう。
債務者には手付金を渡さない
普通の物件を買う際は、売買契約書を結んだ時に手付金として物件価格の1割くらいのものを売主に渡します。しかし、任意売却物件を買う際は、手付金を債務者がもらった後に逃げないようにする必要があります。手付金を渡すのは債務者ではなくて、一旦債務者サイドの不動産業者に渡して預かってもらって、債権者には決済する際に渡すようになります。
そのため、債権者に手付金は絶対に渡さないように注意しましょう。また、手付金を渡す場合は、不動産業者の預り証をもらうため注意しましょう。
確実に手続きしたか確認する
任意売却物件の場合は、債権者が競売の申立てを裁判所にして差押さえられています。そのため、任意売却される時に、差押えの取消、競売の取下げの手続きが必要です。司法書士が手続きしてくれるため基本的に問題ありませんが、手続きを忘れることもあり得ます。そのため、手続きがきちんとされているか、物件の引渡しの際にチェックする必要があります。
取引が決済する前に中止なる場合もある
任意売却物件の場合は、実際に売買契約した後、引渡しになるまでに、取引が急に中止になる場合があります。例えば、物件を担保にしている債権者とは違う債権者が、物件を差押える場合があります。
抵当権を設けている債権者の金融機関は了解していても、別の債権者が差押えると、交渉を債権者ともやり直す必要があります。交渉がこのような場合は難航する場合が多くあり、取引が最終的に中止になる場合があります。
これ以外にも、急に売主が「物件をやはり売らない」と言うような場合があります。任意売却の話を債権者の金融機関から打診されて、売ることを一旦了解しましたが、気が変わった場合です。このような場合は、買主と売主、債権者が合意して売買契約を結ぶ際に、「やはり契約しない」と言うケースが多くあります。
しかし、売買契約を結んだ後でも売らないと言う人も中にはいます。売るのを中止する場合は、売買契約が成り立っているため、倍返しに手付金をする必要があります。しかし、経済的にこれを売主が払う余裕がないため、それまでの労力などが売主は無駄になるだけでなく補償もされないようになります。