富山県の相続した一戸建て(築古・中古)、マンション、土地それぞれの売却相場と動向について2022〜2023年全般の動向を振り返りつつ、売却市場の特徴や2024年以降の予測を解説しています。
コンテンツ
富山県 中古一戸建て売却の2022年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
富山県 中古一戸建ての販売価格推移
【表 2022年~2024年1月までの一戸建ての販売価格推移(単位:万円/月 )】
2022年はこれくらいで売れました
仲介 1,280万円で売れました
買取 896万円で売れました
2023年はこれくらいで売れました
仲介 1,274万円で売れました
買取 892万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 1,128万円で売れました
買取 790万円で売れました
富山県 売れた中古一戸建ての特徴を比較
富山県で売れた中古一戸建ての特徴を、年次で比較します。
2022年から2023年にかけての中古一戸建ての平均取引価格はほぼ横ばいです。
【富山県で売れた中古一戸建ての特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2023年 |
2022年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
33.8年 |
31.6年 |
駅徒歩(平均) |
14.71分 |
15.12分 |
建物面積(平均) |
141.86㎡ |
140.15㎡ |
土地面積(平均) |
305.66㎡ |
278.32㎡ |
価格(平均) |
1,274万円 |
1,280万円 |
取引件数(最多の市町村) |
富山市 |
富山市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
高岡駅 |
高岡駅 |
参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ
・2024年以降の一戸建て(築古・中古)需要予測
ずばり!
富山県の中古一戸建ての相場は、2024年以降も一定の需要が見込まれます。
特に最寄り駅から15分前後、建物面積が140㎡を超える物件が好まれており、築30年を超えても活発に取引されている傾向があります。
富山県の特徴としては、中古一戸建てで取引されている物件の5割近くが富山市に集中しており、次いで高岡市、射水市が続きます。
特に富山市と射水市は、県全体が人口減少の局面にある中、いずれも世帯数は微増しており、今後も継続的な需要が予測されます。
富山市は人口40万人を超える県内一の都市であり、近年は富山駅立体交差や路面電車南北接続をはじめ、駅ビル商業施設「MAROOT」や宿泊施設「ホテルヴィスキオ富山」、駅前にはテナントやオフィスからなる県最大規模の複合ビル「Dタワー富山」の開業などが続いています。
そのため、さらなる生活利便性の向上から周辺の不動産需要が期待できます。
また、射水市は人口9万人ほどの街ですが、富山市と高岡市に挟まれた県のほぼ中央に位置し、自然と都市機能を併せ持つベッドタウンとして人気です。
商業エリアでは、商業地「イータウン大島」の近隣敷地に「イータウン大島」の約1.5倍の広さを誇る大型商業施設「アイタウン射水」に加え、ホテルルートインの開業なども控え注目されています。
2024年以降も富山市や射水市を中心に安定した住宅ニーズがあり、中古一戸建て市場は堅調に推移していくでしょう。
富山県 中古マンション売却の2022年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
富山県 中古マンションの販売価格推移
【表 2022年~2024年1月までの中古マンション販売価格推移(単位:万円/月 )】
2022年はこれくらいで売れました
仲介 2,024万円で売れました
買取 1,417万円で売れました
2023年はこれくらいで売れました
仲介 1,848万円で売れました
買取 1,294万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 2,318万円で売れました
買取 1,623万円で売れました
富山県 売れた中古マンションの特徴を比較
富山県で売れた中古マンションの特徴を、年次で比較します。
2022年から2023年にかけての中古マンションの平均取引価格は少し下落しました。
【富山県で売れた中古一戸建ての特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2023年 |
2022年 |
---|---|---|
築年数(平均) |
22.6年 |
21.5年 |
駅徒歩(平均) |
15.00分 |
15.45分 |
専有面積(平均) |
73.59㎡ |
78.16㎡ |
価格(平均) |
1,848万円 |
2,024万円 |
取引件数(最多の市町村) |
富山市 |
富山市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
富山駅 |
富山駅 |
参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ
・2024年以降の中古マンション需要予測
ずばり!
2024年の富山県の中古マンション需要は堅調に推移していくと見込んでいます。
2022年から2023年にかけて中古マンション価格は下落したものの、2024年に入り回復傾向にあります。
特徴的なのは、60㎡~70㎡の2LDK、65㎡~80㎡の3LDKの物件の需要が高く、駅徒歩15分前後の物件に集中している点です。
ただし、取引が見られたのは富山市と高岡市のみで、そのうち約85%は富山市が占めています。
中古マンションの需要が集中する富山市は、2022年のあいの風とやま鉄道の新駅「新富山口駅」開業をはじめ、今なお富山駅北側や駅周辺を中心とした再開発が進行しています。
同時に、「コンパクトシティ構想」の推進により、鉄道や路面電車などの公共交通機関の活性化を軸とした街づくりが行われています。
商業や娯楽などが充実した都市地区、住宅やスーパー・医療施設・金融機関などが揃う地域生活拠点といった必要な機能を沿線に集約化するのが特徴です。
また、富山県は児童手当や医療、保育などの子育て支援に注力しており、厚生労働省の調査(2022年4月)では待機児童0人となっていることから、子育てと仕事の両立のしやすさが評価されています。
さらに、不二越や田中精密工業、富山第一銀行、北陸電力など、地元を代表する大企業も多いことから、幅広い世代の住宅ニーズが見込めます。
このようなことから、今後も富山県の中古マンションを含む住宅需要は、富山市がけん引しながら継続的に推移すると予測されます。
参考:富山市役所 活力都市創造部 |富山市都市整備事業の概要
参考:厚生労働省子ども家庭局|令和4年4月の待機児童数の調査結果
富山県 土地売却の2022年から現在までの売却動向と2024年以降の予測
富山県 土地の販売価格推移
【表 2022年~2024年1月までの土地の販売価格推移(単位:万円/月 )】
2022年はこれくらいで売れました
仲介 872万円で売れました
買取 610万円で売れました
2023年はこれくらいで売れました
仲介 1,008万円で売れました
買取 706万円で売れました
今これくらいで売れています
仲介 1,091万円で売れました
買取 764万円で売れました
富山県 売れた土地の特徴を比較
富山県で売れた土地の特徴を、年次で比較します。
2022年から2023年にかけて、土地の平均取引価格は上昇しました。
【富山県で売れた土地の特徴 年次推移】
売れた特徴 |
2023年 |
2023年 |
---|---|---|
駅徒歩(平均) |
214.08分 |
14.98分 |
面積(平均) |
302.90㎡ |
308.19㎡ |
価格(平均) |
1,008万円 |
872万円 |
取引件数(最多の市町村) |
富山市 |
富山市 |
取引件数(最多の最寄駅) |
富山駅 |
高岡駅 |
参照: 国土交通省|不動産情報ライブラリ
・2024年以降の土地需要予測
ずばり!
富山県の土地需要は年々高まりを見せており、2024年も安定した需要が見込まれます。
ただし、大きな土地需要が見込まれるのは富山市周辺 となり、多くの市町村では地価が下落傾向にあります。
国土交通省が毎年行う地価公示によると、2023年の地価変動率(全用途平均)は富山市が0.8%、舟橋村が0.6%のプラスとなり、ともに10年連続の上昇です。
住宅地でも富山市は8年連続、舟橋村は10年連続の上昇、商業地では富山市が10年連続で上昇しています。
富山市では、北陸新幹線開業に伴う富山駅の整備事業により路面電車の南北接続や環状化整備、それによるLRTネットワークの完成など交通利便性がますます改善されています。
さらに駅南側の西町北・総曲輪地区、中央通りD北地区などの開発計画も進行中です。
また「まちなか居住推進事業」をはじめ個人の住宅取得や事業者の不動産建設関連の補助政策も整い、不動産需要の増加が見込まれます。
舟橋村は北陸最後の「村」で日本一小さな自治体でありながら、富山市中心部へ15分程度(車の場合)でアクセスできるベッドタウンとして人気です。
1990年には約1,700人程度だった人口は今や倍増し、世帯数は3倍以上に増加しました。15歳未満の年少人口割合で国内トップを記録したこともある若く活気あふれる自治体です。
2024年も富山市を中心に高岡市や射水市、船橋村の土地需要は今後も引き続き堅調であると予測できます。
参考:富山県庁 生活環境文化部県民生活課|令和5年地価調査の概要
参考:富山市役所 活力都市創造部 中心市街地活性化推進課|富山市中心市街地活性化基本計画
富山県の不動産市況に関連する重要マクロデータの推移
・人口推移について
令和5年10月時点の富山県の人口は100万6,367人となり、前年同月比で9,956人減少しました。
10年前の平成25年の人口(107万6,158人)と比較すると、この期間に約6.49%の減少が確認できます。
富山県は平成10年の112万6,336人をピークに緩やかな人口減少の動きが続き、市町村別にみると前年比で人口が増加しているのは舟橋村のみとなっているのが現状です。
・人口増加率について
令和5年10月時点の富山県の人口増減率は前年同月比「-2.75%(-28,447人)」となり、各市町村は以下のとおりです。
【富山県内の増加率ベスト5】
順位 |
市区町村 |
減少率 |
---|---|---|
1位 |
舟橋村 |
+0.16% |
2位 |
富山市 |
-0.62% |
3位 |
滑川市 |
-0.64% |
null |
射水市 |
-0.64% |
5位 |
砺波市 |
-0.68% |
【富山県内の減少率ワースト5】
順位 |
市区町村 |
減少率 |
---|---|---|
1位 |
朝日町 |
-2.46% |
2位 |
入善町 |
-2.19% |
3位 |
氷見市 |
-2.10% |
4位 |
南砺市 |
-1.90% |
5位 |
魚津市 |
-1.76% |
富山県全体の傾向として横ばいまたはゆるやかな減少傾向にあり、都市部から遠い市町村は人口減少率が高くなっているのが特徴的です。
・年齢構成について
富山県の年齢構成は以下のとおりです。
【年齢3区分別人口の比較】
年齢3区分別 |
令和5年10月 |
平成25年10月 |
---|---|---|
平成25年10月 |
10万7,546人 |
13万5,271人 |
生産年齢人口 |
55万1,555人 |
62万9,168人 |
老齢人口 |
32万8,689人 |
30万7,582人 |
少子高齢化は日本全国で深刻な社会問題となっており、富山県でも例外なく進行しています。
平成25年から令和5年の10年間では、富山県全体の人口は7万人ほど減少しています。しかも内訳を見ると年少人口や生産年齢人口が減少し、老齢人口が増加傾向にあることがうかがえます。
・世帯数について
令和5年10月時点の富山県の世帯数は41万0,055世帯で、富山県全体の人口は減少していますが、世帯数は前年同月比で 1,961世帯増加しました。
この傾向は1年間のものだけでなく、平成25年から令和5年の10年間で29万3,596世帯が増えていますが、世帯当たりの人員は減少しています。
【世帯数及び1世帯あたりの人員の比較】
令和5年10月 |
平成25年10月 |
|
---|---|---|
世帯数 |
41万0,055世帯 |
39万1,799世帯 |
世帯当たり人員 |
2.45人 |
2.74人 |
平成25年から令和5年の10年間で1万8,256世帯が増えていますが、世帯当たりの人員は減少しています。
参考:富山県庁経営管理部 統計調査課人口労働係|令和5年富山県人口移動調査結果概要
参考:富山県庁経営管理部 統計調査課人口労働係|令和4年富山県人口移動調査結果概要
参考:富山県庁経営管理部 統計調査課人口労働係|富山県の人口と世帯(令和5年 10 月1日現在)
参考:富山県庁経営管理部 統計調査課人口労働係|富山県の人口と世帯(令和4年 10 月1日現在)