「マンションを売る時に値切られた場合、どのように対応すべき?」
「マンション売却時の値下げ交渉、どうするのが正解?」
など、マンション売却時の値切りの対応について困っている人は多いです。
マンションを売却する際、ほぼ確実に買主から値下げ交渉があります。
交渉の姿勢や対応によって、売却価格が大きく変わることになるため注意が必要です。
対応方法を間違えてしまうと、数百万円安く売ることになるでしょう。
しかし、適切な対応ができれば希望する価格、もしくはそれ以上の価格で売却が可能です。
本記事では、値下げ交渉の対応の極意について紹介しています。
この記事を読むことで、値下げ交渉時の対応方法がわかり、良い売却結果を出すことができるでしょう。
ぜひ、ご覧ください。
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そもそも「定価」がないので値下げ交渉は当たり前
中古マンションを売却する際、値下げ交渉が必ずあります。
値下げ交渉を想定せずに価格設定すると、手取り額が大幅に減ることになるでしょう。
中古マンションを検討している人は、「少しでも安く買いたい」と考えている人がほとんどです。
その上、中古マンションには新築のように「定価」がありません。
そのため、中古市場では値下げ交渉があるのが当たり前です。
周囲にマンション売却をした人がいれば、ほぼ全員が「値切られた」と答えるでしょう。
マンションを売却する際は、値下げがされることを覚悟しておいてください。
少しでも値下げ交渉を有利に進めて、売却後の手取り額に満足できるように、ここでは値下げ対応の極意を教えていきます。
すぐに売りたい場合は「維持費」も考える
マンションを売却したいと考えても、売却が決定するまでは維持費がかかります。
管理費や修繕積立金、固定資産税や住宅ローン返済です。
たとえ住んでいなくても、これらの費用は発生します。
そのため、買主との値下げ交渉が長引き売却タイミングが遅くなれば、その分多くの費用負担が必要です。
また、固定資産税については、1月1日時点の所有者に課税されるため、一旦は売主が負担をします。
しかし、年の途中で売却をするため、日割り計算で買主にも負担してもらうのが基本です。
たとえば、固定資産税が10万円のマンションを7月1日に引き渡した場合、日割り計算は次のようになります。
- 売主:(1月1日〜6月30日) 10万円×180日÷365日=4万9,315円
- 買主:(7月1日〜12月31日) 10万円×185日÷365日=5万684円
※起算日1月1日の場合
上記のように、売却タイミングが遅くなれば固定資産税についても、負担が増えることになります。
つまり、マンション売却が遅くなるほど、維持費や固定資産税負担が増えるということです。
そのため、売却が長期化して多くの維持費や固定資産税を負担するよりも、値切り交渉に応じて早く売った方が負担は少ない可能性があります。
そういう意味では、値切り交渉に応じて早々と売ることは、悪いことではありません。
すぐに売りたい場合は、維持費と値切り額をシミュレーションして判断することが大切です。
最初から希望額より高く設定する時のポイント
マンションを売却する際は、値下げ交渉を前提として、価格を高く設定することが大事です。
たとえば、実際に売りたい価格が2,000万円の場合、値下げを想定して2,200万円で売り出します。
そうすれば、200万円値下げしたとしても、本来売りたい価格で売却できるからです。
もし、売却希望価格の2,000万円で売り出したら、1,800万円での売却となり、希望より少ない手取り額になってしまいます。
住宅ローン残債や住み替えローンの関係上、売却希望額が決まっている場合は、値下げを前提に高く価格設定するようにしましょう。
売却価格の決め方は「希望価格+値下げ分」が基本です。
「9」と「8」を上手に使いこなそう
マンション売却の値下げ交渉時は「9」や「8」を上手に使いこなしましょう。
9や8を使うと、相手に実際よりも高く値切りをした印象を与えられるためです。
たとえば、売却希望価格が3,300万円で、値下げを想定して3,500万円で売り出したとします。
買主が3,200万円への値下げを求めてきた場合、3,290万円や3,280万円で交渉をしましょう。
売主にとってはほぼ希望額の3,300万円ですが、買主は実際の価格よりも安い印象を持ってくれます。
9や8を使うことで「3,200万円台」になるためです。
買主は必死に値下げ交渉をしてきますので、少しでも値下げ額を抑えるために、9や8の数字を上手に使いこなしましょう。
内覧時は「決定者」がいない方がいい
内覧対応をする場合は、決定者がいない状況をつくりましょう。
その場に決定者がいなければ、値下げを要求されても即答せずに済むためです。
たとえば、家族でマンションを売却する場合、内覧対応を奥様が行います。
そうすれば、買主から値下げ交渉や困る質問が出ても「主人に相談をします」と、即答を回避することが可能です。
そして、じっくりと時間をかけて検討し、後日回答することができます。
内覧に決定者がいなければ、「相談してみます」「確認してみます」などのシチュエーションをつくれるので安心です。
夫婦揃って内覧対応してしまうと、このようなシチュエーションをつくることができず、逃げ道がなくなってしまいます。
家族で話し合い、内覧時には決定者がいないようにしましょう。
不動産会社がどちらの味方なのかを確認する!
マンション売却をする際は、不動産会社がどちらの味方なのか確認をしましょう。
不動産会社が味方かどうかで、業者とどこまで腹を割って話せるか変わってくるためです。
たとえば、不動産会社が売主・買主の両方を担当している場合は、完全な味方とは言えません。
業者は、売主・買主両方の利益を考えて対応するためです。
そのため、腹を割って本音で話すことが、マンション売却に不利に働くことがあります。
もし、売主と買主で不動産会社が異なる場合は、売主を担当する不動産会社は味方です。
この場合は、不動産会社に本音で話しても何ら問題ありません。
腹を割って相談することで、交渉が有利に進む可能性があります。
少しでも良い条件でマンション売却をするために、不動産会社が味方なのか見極めることがとても重要です。
そして、不動産会社が味方の場合は、本音で話し、密接に連携をすることで良い結果を得ることができます。
買う方もギリギリの交渉であることが分かっている
買主との値下げ交渉は心理戦です。
売主は少しでも高く、買主は少しでも安く売買したいと考えています。
買主もギリギリの交渉であることは、わかっているものです。
値下げを要求しながらも「値下げになったらラッキーだけど、自分より高い金額で購入希望者が現れたらどうしよう…」と、心配しています。
売主は、買主が不安を感じていることを逆手に取ることが大事です。
これ以上の値下げを要求すると、他の人が購入する雰囲気を出しましょう。
「◯◯万円まで値下げしたい気持ちはあるのですが、△△万円になれば購入しそうな人がいまして〜」など、具体的に言葉に出すと効果的です。
買う方もギリギリの交渉であることを理解させて、上手く対応しましょう。
人気のマンションはゆっくり構えて交渉する
売却するマンションが人気物件の場合は、焦らずゆっくり構えて交渉することが大事です。
人気のマンションであれば、買主も他の人に買われないか不安なので、大幅な値下げ要求はしてきません。
- 駅から近くて通勤・通学に便利
- 商業施設や教育施設、医療機関が充実している
- 再開発エリアに近く将来が期待されている
- 昔から人気が高くブランド力のある地域
などの人気が高いマンションは、内覧希望者が非常に多いです。
需要があるため、無理に値下げをしてまで早く売る必要はありません。
需要があるマンションは、買主より売主が有利になりますので、少しでも高く売るために、焦らずゆっくりと構えて交渉をしましょう。
あまりにも長く売れ残ると買い叩かれる
上記のように、人気のマンションは焦らずゆっくり構えて交渉することが大事です。
しかし、売却を開始して3ヶ月が経つと「売れ残っている」と判断されてしまいます。
買主はそのような印象を持たなくても、不動産会社が「3ヶ月以上売れていないので、大きく値切れますよ」と、アドバイスをするでしょう。
「人気があるマンションだから、絶対に値切らない!」という対応をしていると、このような状況に陥る可能性があります。
人気物件でも、長く売れ残ると買い叩かれるため注意しましょう。
要望があまりにも多い場合はお断りする
最終目的はマンションを売却することですが、買主は誰でもいいわけではありません。
買主によっては、売買成立後にさまざまなクレームを言ってくる可能性があります。
「200万円の値下げとキッチンを新しくしてくれないと買わない」
「床の傷や汚れが気になるので、値下げに加えて修繕もしてほしい」
「西日が強くて家具がダメージを受けるので、あと200万円の値下げが必要」
など、無茶な要求をしてくる人はクレーマー体質で、後々トラブルになる恐れがあります。
要望があまりにも多い人は丁重にお断りをしましょう。
売却後のトラブルは非常に厄介で、裁判沙汰になることもあります。
買主を選ぶことも、満足のいくマンション売却をするために必要なことです。
1月や7月を狙って売却を進めると値切られない
マンション売却をする際、1月や7月は狙い目になります。
1月は転職、7月は転勤で新たな生活をスタートする人が多いためです。
「すぐに住みたい」と思っている人がたくさんいるため、値切られることはあまりありません。
家探しを急いでいるので、交渉をして他の人にも買われるリスクを負うより、少し高くても早く買って安心したいからです。
このような時期に売却を進めれば、値切られる可能性が低くなります。
時間に余裕がある場合は、1月や7月を狙って売却を進めるといいでしょう。
まとめ
ここでは、値下げ交渉時の対応の極意について紹介いたしました。
値下げ交渉の対応によって、売却金額は大きく変わります。
交渉を上手に進めるには、信頼できる優秀な不動産会社を味方につけることが大事です。
そうすれば、交渉も上手くいき、高く売ることができるでしょう。
信頼できる優秀な不動産会社を見つけるには「イエウール」や「イエイ」などの一括査定サイトを活用することです。
売却を考えている方は早速、複数の業者から話を聞き、依頼先を決めましょう。